学生納付特例の申請書って意外に難しいですよね。
「ところどころ分からない部分があって手が止まってしまう!」という人も多いのではないでしょうか?
そこで今回の記事では、学生納付特例申請書の書き方を記入例とともに徹底的に解説しました。
多くの人が悩みがちな「所得の計算の仕方」や「申請期間の書き方(留年した場合含)」など、つまずきやすいところを重点的に解説していますので、申請書の書き方に不安がある人はぜひ参考にして下さいね。
学生納付特例申請書の書き方
それでは申請書の書き方を見ていきましょう。
申請書は下記リンク先のケース4からダウンロードできますよ。
以下が学生納付特例の申請書です。①、A、Bの3部分にわけて書き方を解説していきますね。
①住所・氏名欄の記入例
<記入例>
ここは簡単ですね。申請書を書いた年月日、学生であるあなたの住所・氏名を記入します。
「住所」は住民票に登録している住所を記入してください。
A.基本情報の記入例
<記入例>
①個人番号(または基礎年金番号)
個人番号(マイナンバー)または基礎年金番号を左詰めで記入して下さい。(マイナンバーだと丁度マスが埋まり、基礎年金番号だと右から2マスが余ります)。
個人番号はマイナンバーカードまたは通知書カードに記載されています。
基礎年金番号は年金手帳や納付書に記載されています。年金手帳が見当たらない人は「年金手帳の再発行手続き完全ガイド」を見ながら再発行しておきましょう。基礎年金番号が分からない人は「5分で分かる基礎年金番号の調べ方」も参照してみてくださいね。
この時、一緒に学生納付特例申請書を出す方も多いと思いますが、この場合基礎年金番号はまだ発番されてないので空白で良いですよ。
ただ、マイナンバーが分かるならマイナンバーを書いておくのが無難です。
②生年月日③氏名④電話番号
②生年月日
平成・昭和どちらか一方に○をつけ、被保険者本人の生年月日を記入してください。
③氏名
「住所・氏名欄」で記載した氏名を記入します。
④電話番号
被保険者本人と連絡がとれる電話番号を記入してください。
B.申請内容の記入例
<記入例>
⑤申請期間
学生納付特例を申請する期間を記入します。申請期間は以下の4点に注意してくださいね。
- 年度単位の期間を記入する。年度とは「4月~3月」の事。
- 年度をまたぐ申請は複数枚の申請書を提出
- 過去の申請は2年1ヶ月前の分まで可能
- 1日生まれの人は、誕生月の前月分からの支払い開始(民法143条により歳をとるタイミングは誕生日の前日と定められているため)
では、令和元年8月中に申請をした場合を前提にいくつか事例を見ていきましょう。
<<事例①:令和元年7月5日に20歳なった人が初めて申請する場合>>
7月から国民年金に加入するので「令和1年7月~令和2年3月」が申請期間となります。
「令和2年4月~令和3年3月」の申請は、令和2年4月になってから申請ができますよ。
<<事例②:平成31年1月10日に20歳になった人が前年度分と当年度分の申請を行う場合>>
申請期間は「平成31年1月~平成31年3月」と「平成31年4月~令和2年3月」です。
先ほども書きましたが年度(4月~3月)をまたぐ場合は、複数枚の申請書を記入する必要がありますので注意して下さい。
<<事例③:平成29年5月25日に20歳になった人が、前々年度分~当年度分の申請を行う場合>>
申請期間は「平成29年7月~平成30年3月」「平成30年4月~平成31年3月」「平成31年4月~令和2年3月」になります。
過去の申請は2年1ヶ月前までです。平成29年の5月・6月分は、申請期間に含めても、学生納付特例の対象となりません。(もちろん、この場合も複数枚の申請書が必要です!)
⑥在学予定期間
入学年月と卒業予定年月を記入してください。
留年している場合は、卒業予定年月をその期間分、伸ばして書けば大丈夫ですよ。あくまで「予定」の年月ですので変更可能です。安心してくださいね。
⑦学校の名称⑧学校の所在地
在学している学校の名称と学校の所在地を記入して下さい。
所在地は、都道府県名・郡市区名・町村名まで書けばOKです。
「○丁目○番~」までは必要ありません。
⑨税申告の有無
税申告とは「確定申告や住民税申告、年末調整」などが該当します。
1.あり
2.なし
3.不明
のいずれかに○をしてください。分からなければ「3.不明」で問題ないですよ。
⑩前年所得
申請年度の前年分の所得について記載します。申請年度及び期間と審査対象になる前年所得をまとめると以下のようになります。
年度 | 申請期間 | 審査対象になる前年所得 |
---|---|---|
平成29年度分 | 平成29年4月~平成30年3月 | 平成28年中の所得 |
平成30年度分 | 平成30年4月~平成31年3月 | 平成29年中の所得 |
令和元年度分 | 平成31年4月~令和2年3月 | 平成30年中の所得 |
“年度”と”年”という言葉があってややこしいですが、年度は4月~3月のことで、年とは1月~12月の事です。たとえば令和元年度分の申請をする場合、平成30年の1月~12月の所得が前年分所得にあたります。
上の画像から分かるように、学生納付等特例の審査に通る所得基準は以下のとおりです。
「学生本人の前年所得≦118万円+扶養親族等の数×38万円」
所得は収入とイコールではなく、「所得=収入ー経費」で計算されます。
たとえば、アルバイトの収入は給与所得になりますが、「給与所得=給与収入-給与所得控除」で求めます。給与所得控除は最低でも65万円ありますので、前年中のバイト収入が65万円以下であれば「1.なし」に丸を付けましょう。
65万を超えてバイト収入がある方は「国税庁の給与所得控除ページ」を参考に所得を計算して、118万円以下であれば「2.あり」に、118万超の場合は「3.あり」に丸を付けましょう。
「3.あり」に丸をつけた方は16歳以上~19歳未満の扶養親族の「あり・なし」の部分も忘れずに記入して下さいね(*)。
⑪特例認定区分
失業や天災など特殊事情を理由に申請する場合に記入する場所です。特殊事情がない場合は空白でOKです。
一般的な大学生で、特例認定区分を記載する必要がある人はほぼいないため、詳細は割愛します。
⑫備考
特殊事項がなければここも空欄でOKです。
ただし、申請する年度分の直前の1月1日時点の住所と申請時点の住所が違う場合は、その1月1日時点の住所を記入して下さい。(例:平成30年度分(平成30年4月~平成31年)の申請時点の住所と平成30年1月1日の住所が違う場合)
ここまでで申請書は一通り完成です!お疲れ様でした。
添付書類と提出先まとめ
申請書類が書けたら、あとは添付書類を用意して提出するだけですね!
それぞれ確認しておきましょう(参考:国民年金保険料の学生納付特例制度|日本年金機構)。
<<添付書類>>
原則として以下の①、②のいずれも必要です。ただし、国民年金被保険者関係届書と同時に提出する場合「②の書類」は不要です。
- ①学生書のコピーor在学証明書(原本)
- ②年金手帳のコピー(氏名記載ページ)or基礎年金番号通知書のコピー
<<提出先>>
提出先は以下の①~③のいずれかです。
- ①住所地の市町村役場の国民年金窓口(郵送でも可)
- ②年金事務所(郵送でも可)
- ③在学中の学校の事務局(在学中の学校が学生納付特例事務法人に該当する場合のみ可)
まとめ
申請書を提出すると、約2~3ヶ月後に審査の結果が届きます。結果を待っている間、入れ違いで納付書や督促状が送られてきたりしますが、審査中は払わなくてOKですよ。焦らず審査結果を待ちましょう。
また、1度申請書を出すと2年目以降は在学予定に従って新たに申請書が送られてきます。もし、送られてこなかった場合は再度申請書をダウンロードして提出すればOKです。
なお、ご存知の方も多いと思いますが学生納付特例は「猶予」であって免除ではありません。追納しないと将来の年金額が減額されるので、社会人になってお金に余裕ができたら可能な限り追納しましょうね。
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