年金手帳を掲げる笑顔の老人

本来年金は強制加入で必ず保険料を支払う必要があります。ですが、未納にしてしまっている人もいますよね。そういう人は、年金の受給権を満たせない可能性があります。

「このままだと将来年金がもらえないかも・・・どうしよう」

将来が不安になってしまうかもしれませんが、まだ大丈夫です!

そういう人が"無年金"になってしまわないように用意されているのが「任意加入被保険者制度」です!

任意加入被保険者になれば、60歳以降でも保険料を納付することができ、受給資格期間を増やすことができます!

さらにこの制度は、受給資格はあるけれども満額は貰えないので「もっと年金額を上げたい!」という人も利用できます。

そこで、この記事では、国民年金の任意加入被保険者の仕組みや加入条件などをわかりやすく解説していきます。将来の年金でお悩みの方は、ぜひ読み進めていってくださいね!

国民年金の任意加入被保険者とは?なんで任意加入するの?

年金手帳を訝しげに眺める老人

任意加入被保険者制度とは、簡単に言うと「このままでは年金が貰えないor少ない」と困っている人のための救済措置です。

現在、老齢年金を受給するには「保険料納付済み期間・保険料免除期間・合算対象期間の合計(=保険料未納扱い以外の期間)が10年以上あること(*)」という条件を満たす必要があります。

*2017年(平成29年)までは25年でしたが大幅に短縮されました。

もし保険料を納付した期間が9年間だとしたら、受給要件を満たせず将来年金はもらえません。9年分の保険料は払い損です。

また、年金の受給条件は満たしているけれど年金額は満額でなく、「もっと増やしたい。できれば満額ほしい!」と思う人もいるでしょう。

そんな人のためにあるのが、国民年金の任意加入制度なのです。

お金に囲まれる老夫婦

本来、国民年金は「日本に住む20歳以上60歳未満の人」が対象です。60歳以上の人や、海外在住者などは対象外となります。

しかし、このような保険料を払いたくても払えない人も、任意加入をすれば保険料を納付することができます。

任意加入した期間や保険料は、通常の国民年金の被保険者と同様に”受給に必要な10年”や将来の年金額に反映されるので、「年金がもらえない」「年金額が少ない」というお悩みを解決することができるのです。

任意加入の条件は?

チェックリストと鉛筆

任意加入被保険者になれるのは、以下のいずれかに当てはまる場合です。

  1. 日本国内に住所がある60歳以上65歳未満の人
  2. 日本国内に住所がある20歳以上60歳未満で、既に厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受ける事ができる人(事例
  3. 日本国籍を持っているが日本に住所がない20歳以上65歳未満の人

ただし、以下のいずれかの条件に当てはまる場合は加入できません。

  • 既に20歳~60歳の国民年金保険料を480月分すべて納付している(=満額の年金を受給できる)
  • 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けている
  • 厚生年金保険、共済組合等に加入している

参考元:任意加入制度|日本年金機構

もし老齢基礎年金の繰上げ支給をする場合は、その後年金額を増やすために任意加入はできなくなるので注意してくださいね。

なお、上記条件の①②に国籍要件は無いので、日本に住所があるなら外国籍の方でも任意加入可能です。(ただし、日本国内に住所を有する限りは外国籍の人も原則として年金の強制加入者に該当するので、任意加入する場面は少ないと思いますが。)

任意加入の手続き方法

建物の前でバインダーを持つ男性

次に任意加入被保険者になるための手続きを紹介します。手続場所・必要書類は以下の通りです。

  • 申請先:最寄りの年金事務所または市区町村
  • 持参物:年金手帳、預貯金通帳、金融機関への届出印

参考元:任意加入制度|日本年金機構

 
基本的には年金手帳と預貯金通帳と届出印を持って申請先の窓口へ向うだけで大丈夫ですが、自治体によっては運転免許証などの身分証明書が必要なところもありますので、事前に確認しておくとスムーズでしょう。

任意加入被保険者の資格を喪失するとき

また、以下の条件に該当するときは、任意加入の資格を失います。併せて参考にしておいてくださいね。

<任意加入被保険者の資格喪失の条件>

・65歳に達したとき
・満額の受給資格期間480月を満たしたとき
・強制加入被保険者(=第1号~第3号被保険者)になったとき
・日本居住者が海外に転出したとき
・海外居住者が日本に転入したとき
・日本国籍の海外居住者が、日本国籍から外れたとき
・保険料を滞納し、督促状の指定期限までに納付しなかったとき(海外在住者は納付期限より2年後までに納付しなかったとき)
・自ら資格喪失の申込みをしたとき
・死亡したとき

参考元:国民年金法 法附則第5条 第6項~第9項

【参考】海外転居者の場合は注意が必要!

飛行機を見上げる家族

日本国籍のある人が海外に移住する場合、国民年金の被保険者としての資格は自動的に失われます。

海外在住中はもう保険料の支払い義務もなくなるので、年金に関しては空白の期間になるような気がしますよね。でも、実は少し特殊な取り扱いになるんです。

海外在住中の期間は、保険料を納付しなくても年金の受給資格期間として算入されます。ただし、将来の年金額には反映されません。(これを合算対象期間と言います)。

例えば20歳~60歳の間に5年間日本で保険料を納付し、35年間海外で暮らしていて保険料を納付しなかった人は、受給資格期間は40年で受給資格は満たしますが、もらえる年金は5年分に見合った金額だけです。

これでは老後に日本に帰ってきても、年金が少なすぎて困ってしまいますね。

しかし国民年金に任意加入しておけば、通常の被保険者と同様に支払った保険料分が年金額に反映されます。

また、任意加入していない場合、障害基礎年金遺族基礎年金の受給資格を満たせません。

しかし任意加入して保険料を払っておけば、万が一障害を負ったり死亡してしまったりしても、障害基礎年金や遺族基礎年金を受けることができます。

いずれ日本に帰ってくる予定があるのでしたら、国民年金へ任意加入しておくと安心でしょう。

特例任意加入制度とは?「任意加入制度」を使っても受給要件を満たさなかった人のための制度!

年金手帳を持ちOKマークを出す老人

国民年金の任意加入は最長で65歳まで。では、もし65歳になった時点でまだ受給資格期間を満たせなかった場合はどうなるのでしょうか?結局年金はもらえないのでしょうか?

大丈夫です。このような場合の最後の救済措置として、特例任意加入制度があります。特例任意加入被保険者となれば、65歳~70歳までの間保険料を納付することができます。

特例任意加入制度は、あくまで受給資格期間を満たすことのみを目的とした制度です。任意加入制度と異なり、年金額を増やす目的では加入できないので注意しましょう。

ただし、特例任意加入被保険者となるには条件があります。以下の条件をすべて満たしている場合、特例任意加入被保険者となることが出来ます。

  • 1965年(昭和40年)4月1日以前生まれであること
  • 国内在住者or日本国籍のある海外在住者で、65歳以上70歳未満であること
  • 老齢または退職を支給事由とする年金の受給権がないこと

なお、特例任意加入制度の申込みの手続きは任意加入と同じです。ただし、既に任意加入被保険者となっていた人が65歳に達したときに受給資格期間を満たしていない場合は、手続き不要で自動的に特例任意加入被保険者に切り替わります。

1965年(昭和40年)4月1日より後に生まれた人はなぜ入れない?

特例任意加入制度が法改正により現在の形となったのは、2005年(平成17年)です。そして、当時の受給資格期間は25年でした。(2017年8月以降は10年に短縮)

このとき、昭和40年4月1日以前に生まれた人(当時40歳以上の人)は、そこから65歳まで保険料を払ったとしても25年を満たせず無年金になる可能性があったのです。

このような物理的に受給資格期間を満たせない可能性がある人が無年金にならないために作られたのが特例任意加入の制度なので、昭和40年4月1日より後に生まれた人は適用外となるのです。

特例任意加入被保険者の資格を喪失するとき

以下のいずれかに当てはまる場合は、特例任意加入被保険者の資格を喪失します。

<特例任意加入被保険者の資格喪失の条件>

・70歳に達したとき
・受給資格期間を満たしたとき
・厚生年金に加入したとき
・日本居住者が海外に転出したとき
・海外居住者が日本に転入したとき
・日本国籍の海外居住者が、日本国籍から外れたとき
・保険料を滞納し、督促状の指定期限までに納付しなかったとき(海外在住者は納付期限より2年後までに納付しなかったとき)
・自ら資格喪失の申込みをしたとき
・死亡したとき

参考元:国民年金法 平成16年改正法附則 第23条 第7項~第9項

任意加入と特例任意加入の違いまとめ

任意加入と特例任意加入は似ている制度なので、それぞれの特徴を簡単にまとめておきます。共通点や相違点を整理するのに役立ててくださいね。

 任意加入被保険者特例任意加入被保険者
加入対象
・日本在住の60歳以上65歳未満の人
OR
・外国在住の日本人で、20歳以上65歳未満の人
①1965年(昭和40年)4月1日以前生まれ
②国内在住者or日本国籍のある海外在住者で、65歳以上70歳未満
③老齢または退職を支給事由とする年金の受給権がない

上記①~③をすべて満たす人
目的・年金の受給権を得るため
・受給権はあるが年金額を増額するため
・年金の受給権を得るため
付加年金保険料の納付不可
寡婦年金の支給要件算入対象期間となる算入対象期間とならない
死亡一時金の支給要件算入対象期間となる
脱退一時金の支給要件算入対象期間となる
保険料の免除不可

任意加入制度は「年金額の増額」という目的もあるため、同じく年金額を増やすための制度である付加年金も併せて加入できます。

また、寡婦年金は、第1号被保険者として老齢基礎年金の受給資格期間を満たした夫が、老齢基礎年金を受給せずに死亡した場合に給付される年金です。特例任意加入被保険者は受給資格期間を満たせば資格を喪失するので、期間を参入しても実際的な意味がないことになります。

両者の違いは、任意加入が”通常の被保険者期間の延長”に近いのに対し、特例任意加入は”受給資格期間を満たすためだけの措置”とイメージすると分かりやすいかもしれませんね。

【参考】厚生年金の任意加入制度を簡単に紹介

年金手帳と給料袋を持つサラリーマン

ここまでは、国民年金の任意加入制度について説明してきました。でも実は、厚生年金にも任意加入制度が存在するのです。

制度名内容
高齢任意加入被保険者受給資格を満たしていない場合に、70歳以上でも厚生年金に加入できる制度
任意単独被保険者厚生年金適用事業所以外で働いているが、なんとか自分だけでも厚生年金に加入したい人が使う制度

詳細を知りたい方は、それぞれ上記リンク先から詳細記事をごらん下さい。

まとめ

「今まで保険料をあまり払ってこなかったけれど、少しでも年金がもらいたい」「できれば年金額を満額に近づけたい」という人にとって、任意加入制度は嬉しい制度ですね。

任意加入被保険者は付加年金保険料も納付できるので、年金額アップのために併せて検討されると良いかと思います。

特例任意加入被保険者については、年齢要件のことや受給資格期間が10年に短縮されたことを踏まえると将来的には廃止されるかもしれません。

それでも現在はまだ有効な制度ですから、65歳以上で受給資格期間を満たしていない人はぜひ加入しておくと良いでしょう。

スポンサーリンク
おすすめの記事