引っ越しをすると、手続きが多くって本当に大変ですよね。市役所にも行かないといけないし、公共料金の手続きもしないといけないし・・・やることが多すぎて、手続きの1つや2つ忘れてしまう方も多いのではないでしょうか。
そして、引っ越しにともなう手続きの中でも、意外と多いのが年金の住所変更についてのお悩みです。
「手続きはどこですればいいの?必要書類は?」
「もし住所変更をしなかったら何か不利益があるの?」
このような疑問をお持ちの方をよくお見かけしますので、今回の記事では住所変更に伴う国民年金や厚生年金の手続きについて解説していきます。
被保険者別に届け出先や必要書類もまとめていますので、あなたの被保険者の区分に応じて参考にしてくださいね!
もし住所変更が適切に行われていなければ、重要なお知らせが届かなくなったり、年金の受給に手間も時間もかかったりしてしまうので、早めに片付けてしまいましょう♪
【前提】2018年3月から年金関連の住所変更手続きは不要に!マイナンバー関連
ここで朗報です!
2018年(平成30年)3月5日から、日本年金機構はマイナンバーを利用した年金管理を開始しました!(参考:日本年金機構におけるマイナンバーへの対応|日本年金機構)
マイナンバーと基礎年金番号を紐付けて管理することで、今まで必要だった年金の住所変更の手続きを省略することが出来るようになったのです。
それゆえ住民票の異動手続きだけ実施すればOK!それにより、自動的に年金の住所データも更新されるので、わざわざ年金のタメだけに住所変更をする必要はなくなりました。(住民票の異動手続きはやってくださいね。)
ただし!
人によっては、まだマイナンバーとのヒモ付が行われていない場合もあります。その場合は、年金の住所変更も自分で行う必要がありますので、次のセクションを参考に届出を出してください。
年金の被保険者別住所変更手続きの届出先と必要書類
マイナンバーと基礎年金番号が紐付いていない場合は、以下で示すご自分の被保険者種別に応じて届出を行ってください。
被保険者区分 | 届出先 | 届出期限 | 提出書類 | 持参するもの |
---|---|---|---|---|
第1号被保険者 | 市区町村役場 | 転入日より14日以内 | 被保険者住所変更届 | ・年金手帳 ・印鑑 |
第2号被保険者 | 勤務先の会社 | 引越し後すみやかに | なし | なし |
第3号被保険者 | 配偶者の勤務先の会社 | 引越し後すみやかに | なし | なし |
被保険者の種別が分からない方は下表を参照してください。
被保険者の種類 | 対象者 |
---|---|
第1号被保険者 | 自営業者/農業・漁業従事者/無職の人/学生など、第2号被保険者や第3号被保険者以外の人全ての人 |
第2号被保険者 | ⺠間企業に勤めている人や公務員 |
第3号被保険者 | 第2号被保険者に扶養されている、20歳以上60歳未満で年収130万円未満の人 |
まとめると、第2号被保険者、第3号被保険者の方は(配偶者)勤務先の人事総務に変更依頼をお願いするだけでOKです。あとは担当者の指示に従いましょう。
一方で、第1号被保険者の方はご自身で手続きする必要があります。市区町村の窓口で「被保険者住所変更届」を記入して提出してください。その際、「年金手帳・印鑑」を忘れずに持参するようにしてくださいね(*)。
共済組合の場合は住所変更手続きに何か違いはあるの?
共済年金は2015年(平成27年)10月に厚生年金と統一されたため、共済組合員は第2号被保険者となります。
ですので、手続きも第2号被保険者との違いはありません。勤め先に住所変更手続きのお願いをしてください。
年金の住所変更を忘れたらどんなデメリットが発生するの?
まず、住所変更を忘れたからと言って罰則があるわけではないので安心してください。
ただし「重要なお知らせが届かなくなる」というデメリットがあります。”納付書”や”年金の請求用紙”が届かない可能性があるということですね。すると、年金の受給額が減ったり、受給手続きに無駄な手間と時間がかかってしまう場合があります。
それを防ぐためにも、年金の住所変更は必ずやっておきましょう。また念の為、郵便局に転居届を出しておきましょう。手続きから1年間、旧住所に届いた郵便物を新住所に転送してもらえます。
年金の住所変更に関する細かな疑問
ここまでで、年金の住所変更についてはザックリご理解いただけたかと思います。
それでは、ここからは住所変更の手続きに関する細かな疑問にお答えしていきますね。
【国民年金】市役所で転入届を出したら年金の変更手続きはしなくて良いと言われたんだけど大丈夫?
住民票の異動を行えば、年金の住所変更も一緒に行ってくれる市町村もあるようです。
また、2018年3月からマイナンバーと基礎年金番号が紐付けられるようになったので、住民票の異動手続きを行えば自動的に年金の住所変更も行われるようになっています。
ですので現在は、マイナンバーと紐付けられていればどこの市町村でも年金の住所変更の手続きは不要です。もし紐付いていない場合も、住民票の異動と一緒に年金の住所変更も行ってくれる市町村であれば、自分での手続きは不要となります。
市区町村によって対応は異なるので、必ずご自身の市区町村役場に確認しておきましょうね!
【国民年金】旧住所地の年金事務所が交付した納付書で払っても良い?
納付書は全国共通ですので、前の住所の納付書で支払っても大丈夫です。
【共通】住民票の住所と実際の居所が違う場合、何か対応は必要?
単身赴任の人や、一人暮らしをしている学生の人などは、住民票を移さずに引っ越しをされている場合も多いでしょう。しかし住民票の住所と実際の住所(居所)が違うと、大切なお知らせは住民票の住所へ届いてしまいます。
このように住民票の住所と居所が違う場合は、居所を記載した「住所変更届」を年金事務所に提出して、居所に郵送物を届けてもらって下さい。
参考元:現在、住民票上の住所とは異なる所(居所)に住んでいます。何か手続きが必要でしょうか。
【共通】年金手帳そのものの住所記入欄の書き換えは必要?
まず、年金手帳の住所記入欄は覚書程度のものですので、必ずしも書き換える必要はありません。
市役所に手帳を提出しても、住所記入欄は特に変更されないまま返却されますし、現在交付されている青色の年金手帳は住所記入欄自体がありません。
年金手帳の住所欄は手続き上の意味を持ちませんが、もし旧住所だと気持ちが悪いようなら手書きで書き換えればOKです。
なお、「年金手帳」の住所変更は不要ですが、「年金制度」への住所変更は必要ですので気をつけてくださいね。
【共通】4月から新社会人となり厚生年金に加入しました。国民年金の納付書がまだ届くのですが、払った方が良い?
手続きの反映にはタイムラグがあるので、まだ納付書が届いているだけです。支払う必要はないので大丈夫ですよ。
すでに従業員として厚生年金に加入しているので、4月以降は会社経由で保険料が納付されているはずでが、念のためにねんきんネットで自分の加入状況を確認しておくとよいでしょう。
また、納付書に記載されている「納付期間」が、厚生年金の加入前である3月以前になっている場合は、自分で支払う必要があるので注意してくださいね。
【共通】引っ越しで年金手帳を紛失してしまった!再発行手続きは?
住所変更と同様に、加入している年金の種類によって再発行の届出先が異なります。詳細は下記記事でご確認ください。
[getpost id=”475″ target=”_blank”]年金の住所変更まとめ
マイナンバーと基礎年金番号の紐付けにより、手続きが省略できてとても便利になりましたね。
しかし、紐付けが行われていないケースもありますので、あらかじめねんきんネットや年金事務所で確認しておくことをオススメします。紐づけされていない場合の届出先は「被保険者別住所変更手続きの届出先」を再度ご確認下さい。
住所変更をしていないからといって罰則があるわけではありませんが、後々困ったことになる可能性がありますので、住所変更は確実に行っておきましょうね!