農業者年金は「農家の方」だけが加入できるメリットの大きな年金制度です。
「国民年金だけだと、とてもじゃないけど老後の生活が成り立たない・・・。」
と思っている農家の方は、ぜひ「農業者年金」への加入を検討してみて下さい。
まず、記事の最初に農業者年金の大きな特徴を把握しておきましょう。特徴は以下の通りです。
- 農業者なら幅広く加入できる(専業でなくても可・家族も加入可)
- 積立方式・確定拠出型の年金なので少子高齢時代に強い
- 元本割れを極力回避する体制になっている
- 80歳までの保証付終身年金
- 拠出時・運用時・受取時の全てで税制優遇あり
- 月額2万円~6.7万円の範囲で保険料を自由に決めることができる
- 月額2万円の拠出が厳しい人には最大1万円の国庫補助が出る(条件あり)
これだけ見ると、かなりメリットが大きそうですね!
しかし、残念ながらデメリットもあります。また、「いま流行りのiDeCoや国民年金基金と比べてどうなの?」と疑問を持たれた方も多いでしょう。
そこで、この記事ではメリット・デメリットを踏まえながら農業者年金の概要を把握して頂くと共に、他の任意加入の年金制度と比べてどうなのか?という部分も深掘りしていきたいと思います。
農業者年金への加入を検討されている方は是非最後までご覧ください。
農業者年金とは?~農業者向けの(準)公的年金!
農業者年金とは、加入者が自分で保険料を積み立てる積立方式&確定拠出型の農業者専用の年金制度です。加入できるのは国民年金の第1号被保険者(&農業に従事する家族)のみで、加入は任意です。
農業者年金は国民年金の上乗せ制度として用意されています。国民年金を年金制度の1階部分と仮定すると、農業者年金は2階部分に当たります。下記画像のようなイメージですね。
農家ではない第1号被保険者の方の場合、2階部分としては「iDeCo」か「国民年金基金」しかありませんが、農家の方は「農業者年金」もプラスされます。(併用は出来ません。)
ちなみに、第2号・第3号被保険者の年金階層イメージは以下の通り。
さすがに第2号被保険者である会社員の方々は手厚いですが、後述するように農業者年金もメリットの大きな制度ですので、平成20年以降はほぼ毎年3,000人以上の方が新規加入されています。
結果として、平成29年度末の累計加入者数は12万人を超え、現在の被保険者数は約4.7万人となっています(参考:統計資料(数字で見るのうねん)|独立行政法人 農業者年金基金)。
農業者年金の加入資格は3つだけ!農業者なら幅広く加入可能!
農業者年金は以下の3つの条件を満たすことで加入できます。(参考元:農業者なら広く加入できます|農業者年金基金)
- 国民年金の第1号被保険者(国民年金の保険料納付免除者を除く)
- 年間60日以上農業に従事している
- 20歳以上60歳未満の農業者
上記①~③を満たしている限り、兼業農家でも加入資格はありますし、配偶者や後継者なども加入可能です。JAの組合員か否かも関係ないようです。ただし、第2号・第3号被保険者に該当する方は加入不可となっています。
なお、農業者年金に加入する場合は、国民年金の付加年金に加入することが義務づけられるという点にも注意しておきましょう。ちなみに、付加年金は受給開始後2年間で元が取れる素晴らしい年金です。
詳細が気になる方は「国民年金の付加年金(付加保険料)制度を分かりやすく解説」をご参照下さい。
農業者年金の給付は3種類!
独立行政法人農業者年金基金法第18条では、農業者年金の給付は次の3種類と定められています。
それぞれの内容について、詳細に解説している箇所へのリンクを貼っているのでそちらを参考にして下さい!
農業者年金の特徴をメリットを踏まえながら紹介!
これまで、農業者年金の概要についてお伝えしてきました。
次からは「メリット」を踏まえながら「農業者年金」の特徴について詳しく見ていきたいと思います。
年金は積立方式の確定拠出年金型!
農業者年金は、国民年金や厚生年金のように“現役世代が高齢者の年金を支える賦課方式”ではなく、“自分で積み立てたお金が自分の年金の原資となる積立方式”が採用されているため、制度破綻のリスクが少ないです。(参考記事:年金財政の賦課方式と積立方式の違い)
なお、農業者年金は「確定拠出型」ですので、将来貰える年金は基金の運用状況によって決まります。掛金+運用益が年金原資になるということです。
イメージはこんな感じ。
(画像出展:積立方式・確定拠出型で少子高齢時代でも安心| 農業者年金基金)
納付した掛金(保険料)の運用は、農業者年金基金が一元的に管理して行います。
「確定拠出型」ですので運用実績がマイナスになる可能性はありますが、下記画像のように運用の7割は元本の変動リスクの少ない国内債券で行われているので、一定の安心感はありますね。
ちなみに制度発足した平成14年度~平成27年度の運用利回りは2.73%となっています。
そこで、加入者や受給者の数に左右されずに長期安定的な運用が出来る”積立方式(&確定拠出型)”を採用した新しい農業者年金が平成14年から開始されたのです。
なお、破綻したと言っても、旧農業者年金加入者への給付等で足りない部分は、ほぼ国の負担で継続されています(参考:農業者年金制度について P4 – 農林水産省PDF))。
ほぼ元本保証ありの制度体制になっている!
確定拠出型年金は、運用実績によって将来の年金額が変わります。つまり理論上「元本割れ」する可能性はあるということです。
しかし農業者年金では、運用実績(付利累計額)がマイナスとなった場合でも、65歳の年金裁定の時に「危険準備金(制度全体の運用益の一部のこと。付利準備金とも言う。)」と呼ばれる余剰資金部分を使ってマイナス分を補填してくれる事になっています。
ただし、確実な「元本保証ではない」という事に注意して下さい。先ほどマイナス分は「危険準備金(付利準備金)」により補填されると書きましたが、危険準備金が不足すれば補填したくても補填できません。
過去の経緯からして、危険準備金が不足したとしても国が負担してくれる可能性も無くはないかなとは思いますが、制度的に元本が保証されているわけではないという事は理解しておきましょう!
付利準備金を含めた農業者年金の運用状況は下記ページからチェックできますよ!(平成29年度末の危険準備金合計は100億円程度となっています。被保険者と受給権者分の合計。)
80歳までの保証付終身年金!(80歳前に死亡した場合は家族に死亡一時金が支給される)
農業者年金は「確定拠出型年金」でありながら、国民年金などと同じように“終身年金”です。
「○○歳まで生きられる」と誰も予測できない老後生活において、一定の所得が確保されるのは非常にありがたいことですよね。(iDeCoは原資が無くなったらそこで終了です。)
また、加入者や受給者が80歳前に亡くなった時は、死亡した翌月から80歳到達月までに受け取るはずだった農業者老齢年金の総額が現在価値に割り引かれて、遺族に「死亡一時金」として支給される仕組みになっています。(これが「保証付」と言われるゆえんです。)
要は、掛け捨てにならない終身年金保険ということですね!
画像及び内容参考元:終身年金(80歳前に亡くなった場合は死亡一時金が遺族へ)| 農業者年金基金
参考元2:Q:死亡一時金の算定方法どうなっていますか?|農業者年金基金
老齢年金の受給開始は65歳からで繰上受給も可能。しかも保険料納付済期間の要件なし!
農業者年金の老齢給付の開始年齢は、独立行政法人農業者年金基金法第28条で基本は65歳からと決められています。
ただ、国民年金のように保険料納付済期間等が10年以上無いと受給資格が得られないということは無く、1ヶ月払っただけでも終身で年金を受け取ることが可能です。これはかなり大きなメリットですね!(もちろん貰える額は少ないですが。)
また、希望によっては60歳~64歳の間で繰上受給も可能です。
65歳から受給した時の年金額を100とすると、60歳から繰上げ受給した場合には年金額が85程度に下がりますが(平成28年度基準)、資金繰りに余裕が無い人にとっては嬉しい制度ですね(参考:Q:繰り上げ支給の減額率はどうなりますか。| 農業者年金基金)
なお、農業者年金は繰下受給には対応していません(参考:Q:農業者老齢年金の支給の繰下げの請求をすることができますか。|農業者年金基金)。
税制面での優遇措置がある!【拠出時・運用時・給付時の全てで優遇】
税制面での優遇措置がある点も、農業者年金の大きなメリットです。
内容は以下のとおりです。
優遇タイミング | 優遇内容 |
---|---|
拠出時 | 掛金は社会保険料控除として全額所得控除が受けられる(最低でも支払った保険料の15%が節税になる) |
運用時 | 運用益は非課税(通常株式等の運用益や配当金には20.315%の源泉徴収課税が行われます) |
給付時 | 受給年金には公的年金等控除が適用される(65歳以上の方であれば最低120万円の年金までは非課税となります。) |
具体的な節税効果はiDeCoとほぼ同じなので、詳細に知りたい方は「iDeCoで税金はどれくらい安くなる?」をご覧ください。(ただし、iDeCoの所得控除は「社会保険料控除」ではなく「小規模企業共済等掛金控除」であることに注意!)
毎月の掛け金(保険料)は柔軟に変更できる!
「将来の蓄えはしたいけど毎月の保険料が大きいのはちょっと・・・」と不安を抱えている方はいませんか?
しかし、農業者年金の保険料は月額20,000円~67,000円の間で千円単位で自由に決めることができます。毎月の掛け金を柔軟に変更できるのもメリットの一つです。しかも、毎月2万円が厳しい場合には国が保険料を負担してくれる制度もありますよ!
また、毎年前納12月に翌年度(1月~12月分)の保険料を1年分だけ前納することが出来ます(参考:保険料は自分で選べ、いつでも見直しができる|農業者年金基金)。
ただ、割引額が60円~440円と少ないので(率にすると0.05%程度になる)、利用する際は他に節約できるものはないか?と考えてから利用した方が良いですよ(*)。
国から保険料の助成(政策支援)が受けられる!⇒最大で216万円の国庫補助!
農業者年金では次の3つの条件を満たすことで、保険料の国庫補助が受けられます。
☆国庫補助を受けるための条件
1. 60歳までに保険料納付期間等が20年以上見込まれる(つまり39歳までに加入すること)
2. 農業所得(配偶者、後継者の場合は支払いを受けた給料等)が900万円以下
3. 認定農業者で青色申告者など、次の「保険料の国庫補助対象者と補助額」の表の必要な要件のいずれかに該当する
条件を満たすと下表の国庫補助が受けられます。
☆保険料の国庫補助額と自己負担額
月額保険料 | ||
---|---|---|
区分 | 35歳未満 | 35歳以上 |
1 認定農業者かつ青色申告者である経営主 | 被保険者負担額 10,000円 国庫補助額 10,000円 | 被保険者負担額 14,000円 国庫補助額 6,000円 |
2 認定就農者かつ青色申告者である経営主 | ||
3 1又は2の要件を満たしている者と家族経営協定を締結し、経営に参画している配偶者、直系卑属 | ||
4 認定農業者か青色申告者のいずれか一方を満たす農業経営者で3年以内に 両方を満たすことを約束した者 | 被保険者負担額 14,000円 国庫補助額 6,000円 | 被保険者負担額 16,000円 国庫補助額 4,000円 |
5 1又は2の要件を満たしていない者の直系卑属であり、かつ35歳未満の後継者で35歳まで(25歳未満の者は10年以内)に1の者となることを約束した者 | なし |
これにより、早期に農業者年金に加入された方の場合、最大で216万円の国庫補助が受けられます。毎月2万円も保険料を払えないな・・・という人は是非利用を検討してみて下さい。
詳細は農業者年金基金の「保険料の国庫補助」ページ及び「どのような方が国庫補助(保険料の補助)を受けられますか」のページを確認してくださいね!
なお、国庫補助を受ける際には以下の点に注意して下さい!
- 国庫補助部分の年金は、通常の老齢年金とは別の「特例付加年金(政策支援分)」として給付される
- 特例付加年金は農業からの引退などの一定の条件を満たさないと支給されない(自己負担部分は引退等の条件を満たさなくても65歳から支払われます)
- 国庫補助を受けている限り保険料の上限は2万円に限定される
政策支援を受けずに多めに保険料を払った方が老後資金は多くなる可能性が高いので、政策支援を受けるか否かは要検討です!
こちらもチェック⇒Q:国庫補助部分を特例付加年金として受給する要件は何ですか。| 農業者年金基金
メリットばかりではない!農業者年金のデメリットは?
農業者年金は農業者に嬉しい年金制度ですが、何もメリットばかりではありません。
デメリットもありますので、事前に目を通しておきましょう。
掛け金の運用先を自分で選べない!
農業者年金では掛金の運用は農業者年金基金が一元的に管理して行います。そして、その運用はリスクの少ない国内債券中心です。
割合的には資産の7割が国内債券です。安全性は高いですが、運用資産に占める「株式」及び「海外資産」の割合が低ければ低いほど、高いリターンは望めません。
もちろん、皆さんの大切な老後資金を預かって運用するわけですから、安全性の高い債券中心の運用になるのは当然です。
しかし、投資の勉強を継続的に行っている人の中には、もっとリターンの期待できる資産クラスに投資したい!と考える人もいるはずです。従って、運用先を自分で選べないというのは、ある意味でデメリットと言えるでしょう。
農業者年金加入者はiDeCoにも国民年金基金にも加入できない!
農業者年金の加入者は、iDeCoにも国民年金基金にも加入できません。
組み合わせ | 同時加入の可否 |
---|---|
農業者年金とiDeCo | × |
農業者年金と国民年金基金 | × |
iDeCoと国民年金基金 | ○ |
それぞれ一長一短ありますので、どの制度に加入するかは慎重に検討して下さい。「後述のセクション」で簡単な比較表を書いているので、そちらも参照して下さい。
脱退することは出来るが一時金は支払われない
農業者年金は、「いつでも脱退可能」な制度です。
しかし、「脱退しても脱退一時金は支払われない」という事に注意しておきましょう。
以下の二つの理由により脱退一時金の支給は制限されています。
[bq url=”https://www.nounen.go.jp/qa/new/a/13.html” title=”新制度では、脱退一時金は支給されないのですか。-農業者年金基金”]
1. 加入者は、年金受給を期待して保険料を納めており、脱退一時金は当然には支給すべきでないこと。
2. 脱退一時金を支給した場合、資産の長期安定運用が損なわれるおそれがあること。
国庫補助を受けると掛金の上限が月2万円に制限される
最大で216万円の国庫補助を受けられるのは大きなメリットです!
しかし、国庫補助を受けると掛金の上限額は月額2万円に制限されてしまいます。本来月額6.7万円かけられるところを2万円に制限されると、どうしても資金の増え方は緩やかになってしまいます。
いっぱい老後資金を貯めたい!という人にとって、国庫補助はある意味でデメリットになることを理解しておきましょう。
ちなみに通常加入と政策支援加入間の変更はいつでも可能ですよ。(参考:Q:通常加入から政策支援加入への変更等はいつでもできるのですか。|農業者年金基金
農業者年金で将来いくらもらえる?年金額をシミュレーションしてみよう!
農業者年金で将来的にいくらもらえるのか、気になっている方は少なくありません。
しかし、自分で細かく手計算するのは時間がかかるので、以下の農業者年金基金のサイトで年金額をシミュレーションする方法がおすすめです。
⇒年金額のご試算~自分でできる年金額シミュレーション~|農業者年金基金
ちなみに、農業者年金のパンフレットで紹介されている受給額シミュレーションがこちら(月額保険料2万円の場合の試算)。
(出展:農業者年金パンフレットP4より)
繰り返し言いますが、農業者年金は運用成績によって受給額が変わります!パンフレットの試算シミュレーションを鵜呑みにせず必ず自分でチェックしてみて下さい!
農業者年金・iDeCo・国民年金基金の比較
簡単にですが、農業者年金への加入を検討されている方が比較対象とする制度(iDeCoと国民年金基金)との比較表を作成しました。なお、第1号被保険者であることを前提に表を作成しています。
制度名 | 農業者年金 | iDeCo | 国民年金基金 |
---|---|---|---|
加入可能年齢 | 20歳以上60歳未満 | 20歳以上60歳未満 | 20歳以上60歳未満(但し国民年金任意加入者は65歳まで可能) |
受給開始年齢 | 原則65歳から(繰上受給可能) | 60歳~65歳(加入期間に応じて異なる。運用は70歳まですることも可能) | 原則65歳から(プランによっては60歳も可能) |
財政方式 | 積立・確定拠出型 | 積立・確定拠出型 | 積立・確定給付型 |
財政破綻リスク | なし | なし | あり(ただし、可能性は低い) |
掛金の単位 | 月額2万円以上千円単位 | 月額5千円以上千円単位 | 加入時の年齢・プランによって変わる |
掛金上限 | 月額6.7万円(必ず付加年金に入る必要あり) | 月額6.8万円(付加年金加入者は月額6.7万円) | 月額6.8万円(付加年金との併用不可-参考記事) |
掛金の国庫補助 | あり(最大1万円) | なし | なし |
掛金の変更 | いつでも増減可能 | 毎年4月~3月の間で1回可能 | 1口目の減額は不可だが、2口目以降は増減可能。 |
所得控除の種類 *1 | 社会保険料控除 | 小規模企業等掛金控除 | 社会保険料控除 |
脱退可能か否か | 可能(脱退一時金はなし) | 一部の例外を除き不可 | 一部の例外の除き不可 |
給付の種類 | 老齢年金・死亡一時金 | 老齢給付金・障害給付金・死亡一時金 | 老齢年金・遺族一時金 |
給付方法(老齢給付限定) | 80歳までの保証期間付終身年金 | 5年~20年の有期年金(一時金としても受取可能。また、証券会社によっては終身年金にすることも可) | 基本終身年金(プランにより有期年金や保証付年金もあり) |
運用指図 | できない | 出来る(自分で運用商品を選択しなければならない) | できない |
給付の額 | 運用実績によって変動(マイナスもあり得る) | 運用実績によって変動(マイナスもあり得る) | 拠出時点で決定(確定給付型-平成31年現在予定利率1.5%) |
老齢年金・給付金への課税 | 公的年金等控除あり | 公的年金等控除あり(一時金の場合は退職所得控除あり) | 公的年金等控除あり |
運用益への課税 | 非課税 | 非課税 | 非課税 |
公式サイトへのリンク | リンク | リンク | リンク |
上表のように、それぞれの制度で微妙に内容が違います。
何を重視するかによってどの制度に加入するか決まってくるので、この制度に加入すべき!という発言は一概にはできないのですが、タイプ別におすすめ制度を紹介しておきます。
タイプ | おすすめの制度と理由 |
---|---|
お金が無い方 | 農業者年金一択 やはり、最大5割の国庫補助を受けられるのは魅力。月2万円の掛金を負担するのが厳しく国庫補助の要件を満たしている人は農業者年金一択です。余裕がでてきたらiDeCoや国民年金基金への乗り換えを検討すればOK。 |
長期投資が可能で高いリターンを求めている方(投資知識は必須) | iDeCo一択 農業者年金又は国民年金基金は「株式資産」「海外資産」の割合が低いため大きなリターンは期待しにくいです。年利5%以上のリターンを求めるのであればiDeCo一択となります。 |
元本保証を重視する方 | 国民年金基金 OR 農業者年金 国民年金基金は確定給付型ですので、原則として元本保証有りの制度です。また、農業者年金も大々的に宣伝はしていませんが、運用実績がマイナスの場合になった場合の補填制度があります。 |
元本も大事だけどリターンも大事にしたいバランス型の人 | iDeCoと国民年金基金の併用 農業者年金は他の制度との併用が不可のため、元本保証も欲しいけどリターンも追求したい方は、iDeCoと国民年金基金の併用をおすすめします。 |
終身年金じゃないと嫌な方 | 農業者年金 OR 国民年金基金 制度として終身年金をうたっているのは、このどちらかのため。 |
他にも、所得控除の種類を基準に決めたり、一時金の有無で決めたり、色々な軸で比較検討が可能です。納得するまで考えて、どの制度に加入するか決めて下さい!
どうしても難しい場合には、FPなどの専門家に相談してみるのも有りだと思いますよ。
まとめ
本当に「農業者年金」自体はメリットのある制度だと思います。ただ、問題は現在は「農業者年金」以外にも良い制度が揃っているということでしょうか・・・(汗)
なお、農業者年金の加入手続きは、お近くのJAや農業委員会で加入申込書を記入して提出するだけですので、気になる方は一度相談してみましょう!