年金手帳の色は青・オレンジ・茶色の3種類!色が違う理由は交付時期!

オレンジ色と青色の年金手帳

オレンジ色と青色の年金手帳

突然ですが、あなたが持っている年金手帳は何色でしょうか?

こちらのTwitter投票の結果のように「青色!」という方が多いのではないでしょうか。でもその他に、オレンジや茶色の年金手帳も存在するんです。自分とは違う色の年金手帳を、職場の人や家族が持っているのを見たことがあるかもしれませんね。

でも、なぜ人によって手帳の色が異なるのでしょう?

色が違うことで、何か年金の受給額に違いが出たり、不都合があったりするのでしょうか?

いえいえ、ご安心くださいね。実はこの手帳の色、”手帳が交付された時期”によって違っているだけなんです。

そう、ただ色が違うだけで、受給額に差が出たり、不都合が生じるようなことはありません!(もちろん加入した時期によって受給額は変わってきますが、それは表紙の色とはまた別のお話です)

さて、この記事では、年金手帳の色の違いについて深掘りするとともに、年金手帳にまつわる知って得する豆知識をお伝えしていこうと思います。

目次

そもそも年金手帳とはなにか?

年金手帳を持つ男女

年金手帳とは、公的年金制度加入者に交付される年金に関する情報が記載された手帳の事です。就職・転職時に提出を求められたり、年金受給の裁定時に求められるなど非常に重要なものです。

日本では20歳から国民年金への加入が義務付けられていますので、20歳以上の方であれば年金手帳を交付されているはずです。(20歳未満で厚生年金に加入された方にも交付されます。)

年金手帳の役割についてもっと知りたい方はこちらをチェック(日本年金機構)

で、この年金手帳ですが交付された時期により“色”が異なるのです!

年金手帳の色は年金手帳が交付された年度によって違う!支給年代別の年金手帳色まとめ

まず最初に、年代別の手帳の色の変遷を見てみましょう。

手帳の表紙の色交付された年代2018年10月現在での年齢()
茶色(肌色・水色もあり)1961年(昭和35年)10月~1974年(昭和49年) 9月64歳~
オレンジ1974年(昭和49年)10月~1996年(平成8年)12月40歳~64歳
青色1997年(平成9年) 1月~現在20歳~40歳
(参照元:基礎年金番号・年金手帳について|日本年金機構)

:20歳で年金手帳を貰ったと仮定して計算。多少の誤差はご了承下さい。知人には1996年に交付されたのに青色の手帳を持っている方もいますので(再発行なし)、多少の誤差もあると思います。

それでは、各年代ごとの手帳の色や、当時の年金制度について解説していきます。

茶色の(国民)年金手帳は1961年~1974年に交付されたもの

茶色の年金手帳

1961年(昭和35年)10月~1974年(昭和49年)9月に交付された年金手帳は茶色です。1961年10月~1974年9月に国民年金の被保険者取得手続きを行った方に交付されました。

この茶色の年金手帳は、1961年に「国民年金制度」が創設されて交付された最初の年金手帳となります。名前は現在の「年金手帳」ではなく「国民年金手帳」でした。ちなみにこの時はおおむね5年ごとに色が変わっていたので、肌色や水色の年金手帳も交付されていたようです。

オレンジの年金手帳は1974年~1996年に交付されたもの

オレンジの年金手帳

1974年(昭和49年)10月~1996年(平成8年)12月に交付された年金手帳の表紙の色はオレンジです。この期間に国民年金もしくは厚生年金の被保険者資格取得手続を行った方に交付されました。

このオレンジの年金手帳に変わる前は、国民年金の年金記録は「(茶色の)年金手帳」で、厚生年金の年金記録は「厚生年金被保険者証」という証書でそれぞれ管理されていました。

しかし1974年に共通化され、国民年金と厚生年金の管理を一冊の年金手帳にまとめることになりました。この変更にともなって、年金手帳の色もオレンジに切り替わっています。

この共通化が行われる前までは、(茶色の)年金手帳と厚生年金被保険者証の両方を持っている方もいたので、国民年金と厚生年金の両方に加入していた方にとっては管理が随分と楽になった印象です。

ただし、この時点ではまだ共済年金は共通化されておらず、それぞれの共済組合ごとに独自に管理されていました。

青色の年金手帳は1997年~現在までに交付されたもの

青色の年金手帳

1997年(平成9年)1月以降から現在までに交付されている年金手帳は青色です。1997年の1月以降に、新たに被保険者となった方、または紛失やき損などにより再発行の手続きをした方には、この青色の年金手帳が交付されています。

1997年に基礎年金番号が導入されたのと同時に、年金手帳の色も青色に変更されました。

基礎年金番号の導入前は、国民年金・厚生年金・共済年金はそれぞれ違う番号で管理されていたのですが、管理ミスを減らすためにも全ての公的年金制度に共通する一つの番号で管理することになりました。

【注意1】オレンジ・茶色の年金手帳の人は、基礎年金番号通知書があるか確認!

基礎年金番号制度が始まった1997年1月以降に交付された青色の年金手帳には「基礎年金番号」が記載されていますが、1997年1月より前に発行されたオレンジや茶色の年金手帳には「基礎年金番号」が記載されていませんでした。

そこで、当時の政府(旧社会保険庁)は、オレンジや茶色の年金手帳を持っていた人には、基礎年金番号が記載された「基礎年金番号通知書」という書類を交付しています。

こちらの書類ですね。

基礎年金番号通知書を確認
(画像出典:基礎年金番号通知書|厚生労働省)

オレンジや茶色の年金手帳を持っている方の場合、ご自身の基礎年金番号を確認するためには、この基礎年金番号通知書が必要となります。きちんと保管されているか確認しておきましょう。

もし基礎年金番号通知書を紛失してしまっている場合、基礎年金番号が記載されている青色の年金手帳を再発行してもらうことをオススメします。(ちなみに基礎年金番号通知書の再発行は行われておりません)

実際のところ、基礎年金番号が手元に控えてあれば手続きはできますし、わからなくても調べてもらえるので、大きな支障が出るわけではありません。(参考:自分の基礎年金番号が分かる書類6つ

ですが、基礎年金番号は年金の手続きの度に必ず必要となってきます。手続きをスムーズに行うためにも、基礎年金番号の記載された年金手帳を再発行してもらっておいたほうがよいでしょう。

なお、再発行の方法はこちらの記事をご参照ください。
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【注意2】年金手帳が複数ある時はどうしたらいいの?

年金手帳を持つ人

手帳が複数ある場合は要注意です!もしかしたら、複数の基礎年金番号で管理されている可能性があります。

複数の基礎年金番号があると、保険料を重複して徴収されていたり、納付記録がバラバラになって将来の年金受給額が減ってしまったり受給権自体を満たせなくなったりする可能性があるのです!

もちろん、複数の手帳があっても問題がない場合もありますが、色が違う年金手帳が複数ある場合には問題がある可能性のほうが高いでしょう。

自己判断してしまわず、全ての年金手帳を持参して、必ず年金事務所へ相談しに行ってくださいね。どの番号とどの手帳が正しいかを調査し、統一してもらいましょう。

年金手帳が発行される前の年金の管理方法は?年金手帳と年金制度の過去からの流れ

年金の制度が変わると同時に、手帳の色も茶色→オレンジ→青色へと変わってきていましたね。

ところで、そもそも年金手帳が発行される前はどのようにして年金が管理されていたと思いますか?以下、簡単にですが年金制度の変遷と管理証書の変遷を見てみましょう。

年代年金制度の変遷手帳・証書
1940年(昭和15年) - 6月船員保険制度の創設船員保険被保険者証
1942年(昭和17年)-1月労働者年金保険の創設労働者年金保険被保険者台帳記号番号通知表
1944年(昭和19年)-6月「労働者年金保険」から「厚生年金保険」に改称厚生年金保険被保険者証
1961年(昭和35年)-10月国民年金制度の創設国民年金手帳(茶色)
1974年(昭和49年)-10月被保険者証の共通化 (国民年金・厚生年金・船員保険)年金手帳(オレンジ・厚生年金・船員保険と統一)
1986年(昭和61年)-4月船員保険が厚生年金に統合年金手帳(オレンジ・表記内容のみ変更)
1997年(平成 9年)-1月基礎年金番号の創設年金手帳(青色・社会保険庁発行)
2010年(平成22年)-1月日本年金機構の発足年金手帳(青色・日本年金機構発行)
(参考元:年金制度、被保険者証等の変遷(年表)船員保険の年金について|日本年金機構)

このように、昔は様々な形の証書が交付され、制度ごとに分かれて年金が管理されていました。

それが、管理する証書が統一されたり、制度同士が統合されたりして、少しずつ管理がしやすくなり、今のように「一人につき一つの番号と手帳」で管理できるようになったのですね。

まとめ~手帳の色は交付された年代で変わるだけで特に意味はない。

年金手帳は、年金制度の変更とともに表紙の色を変えてきました。交付された年代と手帳の色を、もう一度おさらいしておきましょう。

手帳の表紙の色交付された年代2018年10月現在での年齢()
茶色(肌色・水色もあり)1961年(昭和35年)10月~1974年(昭和49年) 9月64歳~
オレンジ1974年(昭和49年)10月~1996年(平成8年)12月40歳~64歳
青色1997年(平成9年) 1月~現在20歳~40歳

手帳の色の違いは交付された年代の違いによるもので、内容に差があったり不都合があったりするわけではありません。

例えるなら、学年によってジャージの色が違うようなものです。学年ごとに色が違うからと言って、メリット・デメリットがあったり、性能に違いがあったりするわけではありませんよね。

年金手帳も同じで、どの色も等しく大切なものですから、なくさないようしっかり保管しておいてくださいね!

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