「あなたは趣味を持っていますか?」
老後、たいていの人は仕事や子育てから開放されるので、自由な時間が一気に増えます。
しかし、趣味が無いと、毎日退屈で代わり映えのない毎日になってしまうかもしれません。最悪、”朝起きてご飯を食べてテレビを見て寝るだけ”の刺激のない生活が待っているかも・・・。
充実した老後生活を送るためにも今から「老後も出来る趣味」を見つけておきましょう。
趣味があると、「健康増進」や「認知症予防」など副次的なメリットも期待できるので一石二鳥です。(趣味があることのメリットは次のセクションで紹介します。)
「どんな老後にしたいのか・どんな趣味を持ちたいのか」
について、本文を見ながら一緒に考えていきましょう!
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老後に趣味をもつメリット6個
それではまず最初に、老後に趣味を持つメリットについて紹介しますね。
趣味があることで以下のようなメリットが期待できますよ!
- ①生きがいになる
- ②生活のリズムが正しくなる
- ③健康維持・増進につながる
- ④認知機能に良い効果がある
- ⑤交友関係が広くなる
- ⑥ストレス解消になる
以下でそれぞれ詳しく見ていきましょう。
①生きがいになる
マズローの欲求階層説によると、人間には自己成長やあるべき自分になりたいという「自己実現の欲求」があると言われています。
(画像出典:マズローの欲求5段階説をこの上なく丁寧に解説する。あなたの欲求はどのレベル? | 自分コンパス)
社会人のうちは夢や目標を立てやすく、自己実現を叶える機会が豊富です。
また、「生理的欲求・安全の欲求」の高次欲求である「所属と愛の欲求」および「承認欲求」も会社に属しているだけで満たされやすいです。
しかし、退職後、気力や体力も衰えて成長する機会も乏しい老後生活では、欲求をうまく満たせず不満足な生活になりがち。
ところが、趣味があれば「夢や目標」を再構築することも可能です。趣味を通じて「自分が追い求めるもの」を発見すればイキイキと生きていくための一つの道標になりますよ。
また、趣味があることで上図の「所属と愛の欲求」と「承認欲求」も満たせる可能性も高いです!
②生活のリズムが正しくなる
老後は毎日が休日のようなもの。一日家でダラーッとする生活だってできちゃいます。しかし、乱れた生活リズムは当然健康によくないですよね。
毎朝散歩をする、図書館で朝刊を読むなど「毎日続く趣味」をつくることで生活リズムは自然と整います。趣味があることでメリハリのきいた日々が送れるようになるわけですね。
そして、それが次の「健康維持・増進」にも繋がりますよ。
③健康維持・増進につながる
先述しましたが、趣味の予定を入れて1日にメリハリをつけることで生活リズムが整い、健康維持につながるといった側面があります。
さらに、散歩やジョギングなどの”運動”を趣味に取り入れれば、より健康維持・増進につながります。老後、体が動かせなくなって急激に老いが始まる人も珍しくありません。健康で元気な老後生活を送る上で趣味を持つことのメリットは計り知れません。
④認知症予防に良い効果がある
「趣味に時間を使っている」
それだけで認知機能に良い影響があることを知っていますか?
国立⻑寿医療研究センターの研究によると、休日や余暇の時間を趣味に費やしている人はそうでない人と比べて、認知機能の低下リスクが低い(認知症予防に効果がある)という事が分かっています。
(画像出典:“趣味活”でイキイキした毎日を!|国立長寿医療研究センター)
せっかく長生きするのであれば、健康的で幸せな生活を送りたいですよね。趣味があると健康寿命が長くなるかもしれませんよ。
⑤交友関係が広くなる
大体の人は年を取れば取るほど交友関係は狭くなっていくものです。(結婚して子供を持つと、学生時代の友人と会う機会が少なくなるのが典型例です。)
もちろん、仕事関係の友人はいるかもしれませんが、退職すればその関係性も希薄になっていきます。仕事以外の友人関係を作っておかないと、老後における交友関係はとても狭いものになってしまうかもしれません。
しかし、趣味があれば交友関係を広めることが可能です。先ほど見たマズローの欲求5段階説の「承認欲求」や「所属と愛の欲求」も満たせる可能性が高くなりますよね。
まずは習い事やジム、地域活動に参加してみましょう。習い事仲間から気軽にお茶する友人になってくれる人も現れるかもしれません。
老後期における幸福度は他者とどれだけ良好な関係を築けているか?が最も重要な要因になることが知られていますので、今のうちから趣味を始めておくと幸福度の高い老後が送れるようになる可能性が高いですよ。
⑥ストレス解消になる
様々なしがらみから開放される老後でも、なにかしらのストレスは溜まってしまうものです。
しかし、趣味があればストレス解消できますよね。また、「趣味=好きなこと」のはずですから、嫌なことがあっても、趣味のおかげでストレスも溜まりにくくなりますよ。
老後の趣味の選び方
老後に趣味を持つメリットは分かったけど、どうやって趣味を見つければいいか分からない・・・。そんな方もたくさんいると思います。
選び方にこれといった正解はありませんが、総合的に考えると、以下の3つのポイントを押さえた趣味を持つことをおススメします。
- ①お金があまりかからないものを選ぶ
- ②人とコミュニケーションがとれるものを選ぶ
- ③「健康維持につながる趣味・脳のトレーニングになる趣味」をそれぞれ一つずつ選ぶ
以下、それぞれ詳しく説明していきますね。
①お金があまりかからない趣味にする
当たり前に見えて1番大事なポイントです。
2017年度の総務省家計調査報告によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上・妻60歳以上のみの無職世帯)の収支は毎月54,519円の赤字となっています。(参考:老後資金っていくら必要なの?不足分を効果的に貯める方法も伝授!)
もし、お金のかかる趣味があるとこの赤字額はさらに拡大することに・・・。
資金が豊富にある方であればお金のかかる趣味をやっても問題ないですが、そうじゃない人の方が多いですよね。
趣味は老後の生活を彩る一つの手段であって、それが目的ではありません。趣味のせいで生活が圧迫されるなんてことになったら本末転倒です。
家計とも相談しながら最適な趣味を探していきましょう!
②人とコミュニケーションがとれる趣味にする
ハーバード大学が75年かけて行った成人発達研究によると、「良い人間関係が人々の幸福と健康を高めてくれる最も重要な要因である」という結論が出たそうです。(参考:700人を75年間追跡した研究からわかった「幸せな人生を送る秘訣」 | ライフハッカー[日本版])
つまり、老後資金が豊富にあるだけでは幸福な人生は送れないということですね。逆に言えば、お金があっても孤独だと精神面・健康面に悪影響があるってことです。
1人で出来る趣味も沢山ありますが、少なくとも趣味の1つは誰かとコミュニケーションを取りながら、一緒に楽しく取り組めるものにするのが良いと思いますよ。
③「健康維持につながる趣味・脳のトレーニングになる趣味」をそれぞれ一つずつ選ぶ
「適切な運動」をしていれば体が強くなり、健康維持・増進につながります。なので、趣味の一つには軽いもので良いので「運動」を取り入れましょう。
また、認知症を予防するという観点から言うと「脳のトレーニングになる趣味」も大事です。脳は、使わなければ使わないほど衰えていくものです。脳に刺激を与えることで認知機能の低下を防ぐことが出来ますので、脳トレが出来る趣味も大事です。
高齢者にとって一番のリスクは(認知症を含む)病気で健康的な生活が送れなくなることなので、「健康の為の趣味・脳のトレーニングになる趣味」を一つずつ取り入れておくのがオススメですよ。
カテゴリ別!老後おススメの趣味26選
前置きが長くなりましたが、ここからは老後に最適な趣味を26個紹介していきたいと思います。
「運動関連の趣味」「脳のトレーニング(脳トレ)になる趣味」「1人でもできる趣味」「ストレス発散に繋がりやすい趣味」「達成感のある趣味」の5つのカテゴリーに分けて紹介していきますね!
趣味カテゴリー | 趣味一覧 |
---|---|
運動関連の趣味 | ウォーキング、フィットネスジム、水泳、登山、サイクリング、ヨガ |
脳トレになる趣味 | 囲碁、将棋、麻雀、語学学習 |
1人でできる趣味 | パソコン、テレビゲーム、読書・映画鑑賞、ピアノ、絵、料理 |
ストレス発散につながりやすい趣味 | カラオケ、旅行、スポーツ観戦、温泉めぐり |
達成感のある趣味 | ボランティア、カメラ、釣り、DIY、家庭菜園 |
なお、便宜上カテゴリーに分けて趣味を紹介していますが、一つの趣味がいくつもの効用をもたらすことも多いです。
たとえば、「読書・映画鑑賞」は「一人でできる趣味」に入れていますが、話の展開を想像したりすれば脳トレにも繋がりますし、本当に好きな作品に巡り会えればそれが最高のストレス発散にもなるでしょう。
どんな効用があるのか?どんな場面でできる趣味なのか?なども考えながら読み進めて見て下さいね!
運動関連の趣味
ウォーキング
定番ですね!毎日家の近くを歩くのもよし、週末に自然豊かなところを歩くのもよし。1番気軽な運動なのではないでしょうか。
場所によって気分転換ができ、特にお金もかからないので長く続けられる趣味でもありますね。
フィットネスジム
運動したいけど、1人じゃついサボってしまう・・・という人におススメです!一緒に頑張ってくれるトレーナーさんやジム会員の人がいるのは心強いですよね。
社会人のときは時間がなくて通えなかった人も、老後は時間があるので通えますね。
水泳
水泳は全身の筋肉を使うので、比較的短い時間でかなりの運動になります。
泳ぐまではいかなくても、歩くだけでも良い運動になりますよ!(水は抵抗力があるので歩くだけで高い負荷が期待できます!)。
登山
定期的に登山に行くのも良いですね。
木々の中を歩くことでリラックス効果が得られますし、頂上に着いた時には達成感も味わうことができます!仲間と味わえたら、なお良しですね。
それなりの体力が必要になってくるので「山を登るための体力をつけるために運動をする」という正のスパイラルも期待できます。
サイクリング
風を感じながら、自然の中を自転車で駆け抜けるのも良いですね。
爽快感を得ながら無理のない運動ができます。ただし、自転車から転げ落ちたりすると大怪我につながる可能性があるので慎重に。
ヨガ
女性におススメなのがヨガです。慣れたら家でも十分できますが、初心者の方はヨガ教室に通うことから始めると良いでしょう。
適度な運動になりますし、ヨガはストレスによる心身の不調を改善するためにも効果的だそうですよ。(参考:ストレス関連疾患に対するヨガ利用ガイド|厚生労働省)
脳のトレーニングになる趣味
将棋・囲碁・麻雀
いずれも定番の頭脳ゲームですね。頭を使うので、認知症予防にも最適なのではないでしょうか。
ただし基本的なルールや戦略を覚えるのに時間がかかるので、定年前から始めておく事をおすすめします。
家族や友人と一緒に楽しめるのも嬉しいポイントですよね!
もちろん、ネットでも充分楽しめます!最近はチャットをしながらゲームを楽しむ時代なので、ネットでプレイしながら会話も楽しめます。
語学学習
たっぷりある時間を使って、語学にチャレンジするのも良いと思います。外国語を勉強するということは、新しい事を覚えるということなので頭の体操に繋がります。
なお、自分ひとりで家で勉強することも出来ますが、語学教室に通えば知り合いも出来て交友関係が広がるので一石二鳥ですね。
1人でできる趣味
パソコン
ブログ、オンラインゲーム、YOUTUBEなどの動画配信サービスなどなど。パソコン1台あるだけで無限に時間が潰せます。
特に多人数参加型オンライン(MO、MMO)は他のプレイヤーと協力してプレイできるので、とっても魅力的ですよ。友人と始めるのも良し、ゲーム内で仲間を見つけるのも良しです。
ただ画面を長時間見続けるのは身体に毒なので、ほどほどを心がけましょう。
テレビゲーム
テレビゲームは若い子向・・・と思っていませんか。いえいえ、年をとったからこそ初心に帰って遊んでみましょう!
最近ではWiiフィットなどフィットネス系のゲームも増えてきたようなので、健康目的でゲームを利用するのもありですね。
テレビゲームは家族全員で楽しめるのも良いところです。
読書
好きな作家さんの本を読みながら、ゆっくりとした時間を過ごすのも素敵ですよね。
実は読書にはたくさんの利点があるんですよ。オックスフォードやカリフォルニア大学の研究では、読書が脳の活性化につながったり、アルツハイマーの予防になることを明らかにしています。
映画鑑賞
映画鑑賞も良いですね。
最近は、AmazonプライムやNetflixなどの月額定額制サービスでも不朽の名作が楽しめるようになっていますよ。
ピアノ
放置されたピアノがある家庭も少なくないのではないでしょうか。そんな人は是非、ピアノを練習してみましょう!
実はピアノを弾くことで「前頭前野」が活性化し認知症の予防になることが分かっています。(参考:高齢者のピアノ学習が心身の健康状態に与える効果に関する研究 | つくばリポジトリP105)
絵
「絵」と一言で言っても、色鉛筆や水彩画、油絵など様々な種類がありますが、まずは気負わず簡単なイラストや模写から初めて見るのが良いでしょう。
絵が上手くなると家族や友人に褒めてもらう機会も多くなるので、承認欲求も満たされます。
料理
凝った料理を作ってみたり、家族で一緒に作ってみたり、はたまた料理教室に通ってみたりといろいろな楽しみかたがありますよ。
食は老後の大きな楽しみになります。上達した料理スキルで日々の生活を豊かにしてみましょう。
ストレス発散につながりやすい趣味
カラオケ
思いっきり声を出すのにカラオケはもってこいですよね。ストレス解消に最適です。
歌詞や音程を覚えることは、軽いボケ対策にもなりますよ。
旅行
大きな気分転換にもなる旅行。大好きな人が多いのではないでしょうか。
ただ、気になるのがお金の問題。老後に思う存分旅行を楽しみたい場合は、仕事をリタイアする前にしっかりお金貯めておく必要があります。
今のうちから意識して頑張りましょうね!
スポーツ観戦
仲間と一緒に熱狂できる一体感が魅力的なスポーツ観戦。
時には汗を流しながら大声で応援することで、良いストレスの発散手段となりますよ。今のうちからお気に入りのチームを見つけておきましょう。
温泉めぐり
温泉は本当に気持ちいいですよね。心身ともに休まる最高な一時です。
旅行とセットになることが多いので多少のお金は必要ですが、時折の贅沢として老後プランの1つに加えてみるのはどうでしょうか。
達成感のある趣味
釣り
たくさんある老後の時間をつかって、釣りでゆっくりとした時を過ごすのも一興ですよね。
川・海ともに自然の風にあたるのはとても気持ちがいいものです。また魚が釣れたときは達成感がすごいですよ。
船釣りや遠い場所での釣りは費用がかさみますが、近場で釣るくらいなら費用はかなり抑えられます。自分にあったスタイルで釣りを楽しんでくださいね。
ボランティア
誰かに喜んでもらえるのは、とても嬉しいことですよね。
高齢者のボランティアは高齢者自身の心理的健康度を高めるといった研究もあります。他者の役に立ちながら、自分も充実した生活を送れる。最もやりがいのある趣味なのではないでしょうか。
カメラ
日々の何気ない日常や特別な一時を写真に残せるのは素敵なことですよね。
カメラを趣味にすると、どこであれ出かけること自体が楽しみになったり、日常の小さなことにも気付けるようになったりと日々の生活が豊かになります。そして満足いく写真がとれるととても嬉しいですよね。
ただし、初期費用が高めなので定年までにお金を用意しておくのが良いでしょう。
DIY
ものづくりは達成感を味わう定番の趣味ですよね。
自分の家にピッタリあったサイズの家具を作れたり、自分好みの空間を生み出せる素敵な趣味です。
ただし、ノコギリやカナヅチなど怪我しやすいものを使用するため、引退前から始めて使い慣れておいたほうが良いでしょう。
家庭菜園
安心安全な野菜を食べることができ、うまくいけば食費の節約になる家庭菜園。
毎日育てる手間はかかりますが、その分実った時の喜びは大きいものです。何歳からでも始められるのも嬉しいですね。
まとめ
以上、おすすめの老後趣味を26個紹介しました。もう一度、趣味一覧を載せておきますね。
趣味カテゴリー | 趣味一覧 |
---|---|
運動関連の趣味 | ウォーキング、フィットネスジム、水泳、登山、サイクリング、ヨガ |
脳トレになる趣味 | 囲碁、将棋、麻雀、語学学習 |
1人でできる趣味 | パソコン、テレビゲーム、読書・映画鑑賞、ピアノ、絵、料理 |
ストレス発散につながりやすい趣味 | カラオケ、旅行、スポーツ観戦、温泉めぐり |
達成感のある趣味 | ボランティア、カメラ、釣り、DIY、家庭菜園 |
趣味によっては、ある程度の技術や知識がつくまで楽しめないものや多額の費用がかかるものがあります。
引退してから「もっと前から始めておけばよかった」「お金を貯めておけばよかった」とならないために、今のうちからどんな趣味を始めるかじっくり考えて見てくださいね。
以下の記事では老後資金を貯める方法をオススメ度順に11個紹介しています。老後に必要な生活費の試算なども行っていますので、ぜひ参考にして下さいね!
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