40代、50代から考えるキャリアプラン!老後も働きやすい仕事9選

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「老後資金に約2,000万円必要」という金融庁の発表が話題になりましたね。

2,000万円という数字は、あくまでも単純計算された平均値(*)にすぎませんが、今のうちから老後資金を貯めておく必要性があることは間違いありません。

* 必要な老後資金は各人の生活水準や家族構成によって異なります。これを機に、自分にとって必要な老後資金を計算しておきましょう!

参考:老後資金っていくら必要なの?不足分を効果的に貯める方法も伝授!

ただ、2,000万円なんて貯める自信が無いよ・・・という人も多いでしょう。

その場合、どうすれば良いか?と言うと、やはり働いて収入を得るしかありません。
定年後は年金で悠々自適に過ごそう!と思っていた人には酷な話ですが、現実問題お金が足りないのであれば労働するしかありません。

そこで今回の記事では、定年を迎えた後でも働きやすい仕事を紹介していきます。定年後を見据えたキャリアプランを今のうちから考えて、少しでも安定した老後生活を手に入れましょう!

目次

継続雇用制度があるなら継続雇用がオススメ!

まず前提として、今お勤めの会社に定年後の継続雇用制度がある場合には、継続雇用制度を利用してそのまま同じ会社で働くことをオススメします。

なぜなら、継続雇用であれば「慣れた環境(業界・業種)で働ける」からです。

こちらの記事でも紹介しているように、再雇用期間の給料は定年前と比べると約3割~4割程度少なくなりますが、高齢になると継続雇用先よりも待遇が良い就職先はなかなか見つかりません。

それに、歳を取ると若い時と比べて新しい環境に慣れるのに時間もかかって余計なストレスが溜まってしまう事もあるでしょうから、継続雇用制度があるならそちらを利用するのがベターと言えます。

実際、60歳定年企業における定年到達者の84.4%が継続雇用を選択していますよ。

60歳定年企業における定年達成者の動向(画像出典:平成30年「高年齢者の雇用状況」集計結果|厚生労働省 報道発表資料(PDF:623KB)のP5)

なお、「うちの会社には定年後の継続雇用制度は無いなぁ・・・」という方も安心してください。

2013年4月に改正された高年齢者雇用安定法により、各企業は2025年までに従業員の雇用を65歳まで確保することが義務付けられています(参考PDF)。また、日経新聞の記事によると政府は各企業へ70歳雇用の努力義務も課す方針ですから、継続雇用の機会は今後増えていくと思います。

注:65歳~70歳までの継続雇用は、あくまでも努力義務なので実効性は無いかもしれません。ただし、60歳~65歳までの継続雇用は法律で定められた義務なのでしっかりした企業であれば守ってくれるはずです。

ただし、「給与は低くていいから新しい仕事をしたい」「継続雇用が70歳まで伸びる保証はないから60歳で次の職を見つけたい」など、事情によっては継続雇用以外の選択肢を取る人もいるでしょう。

そんな方のために、以下で老後も働きやすい仕事を紹介していきますよ。

シニアにおすすめの老後も働きやすい仕事9選

60歳以上も働くべきとはいっても、高齢になってから職を探すのは難しいのでは?と考える人が多いのではないでしょうか。

正直なところその通りです。

下図は”60歳以上高齢者の就職件数トップ5の職業データ”ですが、60歳以上の就職率は全職業平均で30%を下回っていますし、65歳以上となると15%を下回っています!

《男性》
シニア(男性)の就職件数トップ5

《女性》
シニア(女性)の就職件数トップ5(画像出典:同上)

ですが、職種によっては就職率50%超えのものも有りますね!

今回はそのような、「シニア世代の採用に積極的な仕事」を中心に見ていきます。

マンションの管理人

マンションのイラスト

マンションの管理人
都内平均時給1,000円~1,100円
年齢構成55歳以上が9割を占める
就職件数ランキング(居住施設・ビルの管理)60~64歳(男):4位、65歳以上(男):4位
(参考:アルバイト・バイト求人情報 「マンション」「管理人」|タウンワーク現場従業員の雇用の実態に関する調査|マンション管理業協会 P1 高齢者の雇用)

マンション管理人は男性におススメのお仕事です。

特別な知識やスキルがいらず、基本デスクワークなのでシニアにとって働きやすい環境といえるでしょう。ただし、マンション内で出るクレームに対応する必要があるので居住者との相性も少し絡んできます。

なお職場と住居が一緒になることに抵抗がなければ、住み込みでの雇用がおススメです。住宅の補助など福利厚生面で充実していることも多いですよ。

タクシー運転者

タクシー2台のイラスト

タクシー運転手
年間賃金推定額男:348万円 女:297万円
平均年齢男:60.1歳 女:56.7歳
就職件数ランキング(自動車運転の職業)60~64歳(男):1位、65歳以上(男):2位
備考普通第二種免許が必要
(参考:平成30年 タクシー運転手の賃金・労働時間の現況|全国ハイヤー・タクシー連合会 2概要、P7の第7表、P11の表2)

こちらも男性におススメの職業です。60~64歳では就職件数トップの仕事ですね。

平均年齢が高い分、シニア世代の受け入れに積極的です。普通第2種免許が必要になりますが、取得費用を負担してくれる会社も多いですよ。

清掃員

清掃員4人のイラスト

清掃員
都内平均時給1,100円
平均年齢男:48.9歳、女:56.2歳
就職件数ランキング60~64歳(男):3位、65歳以上(男):3位
60~64歳(女):1位、65歳以上(女):1位
(参考:清掃員・掃除の平均時給|タウンワーク賃金構造基本統計調査職種別第2表|政府統計)

男女ともに就職件数ランキングの上位にランクインしている職業です。あまり人と話す必要がないので、1人でもくもくと働きたい方に向いていますね。

清掃先にもよりますが、大きな機械を使ったり位置が高いところを掃除することもあるので、多少の体力は必要でしょう。

都内だと時給も申し分ないので、有力な仕事先の候補です。

警備員

おじいちゃん警備員4人

警備員
都内平均時給1,100円
平均年齢男:52.5歳
就職件数ランキング60~64歳(男):2位、65歳以上(男):1位
(参考:警備員・監視員の平均時給|タウンワーク2015年の賃金構造基本統計調査:厚生労働省|経営者のためのビルメンテナンスラボ)

男性におススメのお仕事です。就職件数が多いだけでなく、就職率(60~64歳男性で102.5%、65歳以上男性でも52.7%)もダントツでトップですね。

給与も申し分なく働きやすい仕事ですが、警備内容によっては控えたほうが良い場合もあります。

特に野外で立ちっぱなしになる案件は身体に影響をきたす可能性が高いです。屋内の警備や、椅子に座ってもよい警備など無理のない条件で選びましょう。

関連職として、監視員もおススメですよ。

飲食業(キッチン)

キッチン用品

飲食
都内平均時給1,100円
就職件数ランキング60~64歳(女):2位、65歳以上(女):2位
(参考:東京都の平均時給|タウンワーク 飲食/フード系)

女性の就職件数では第2位に位置するお仕事です。鍛えられた料理スキルを活かせるのは嬉しいですよね。

ただ基本的に人手不足の業界なので比較的雇用されやすいものの、体力に多少の自信がないと務まらないのが難点です。

とはいえ、まだまだ元気に働きたい方にはおススメの職業ですよ。企業側も高齢化に対応して、シニアの受け入れに積極的になっています。

家事代行サービス

家事をするおばあちゃん

家事代行サービス
平均時給1200円
年齢幅広い年齢層。60~70歳のシニアも活躍。
(参考:家事・清掃代行スタッフの給与|Indeedよくある質問|家事代行サービスのベアーズ)

女性にとってもおススメなお仕事です。家事をお手伝いすることで給与が貰えるなんて最高だと思いませんか。

家事スキルにそこまで自信がない…という人も大丈夫ですよ。CaSy(カジー)ベアーズなどの家事代行求人サービスは、家事代行未経験の方が安心してチャレンジできるように研修・サポート体制が整っています

おまけに近年は高齢化や単身化、シェアハウスや民泊の増加に伴って家事代行市場は拡大していってます(参考:家事代行業の市場性|一般社団法人日本家事代行協会)。長期間社会から離れていた専業主婦の人も、まずは短時間から挑戦してみるのはいかがでしょうか。

一般事務

事務作業するおじいちゃん

一般事務
都内平均時給1,200円
就職件数ランキング60~64歳(女):4位、65歳以上(女):5位
(参考:一般事務の平均時給|タウンワーク)

ある程度オフィス仕事の経験がある方であれば、覚えることも少ないので非常に取り組みやすい仕事でしょう。

基本デスクワークなのでシニア世代にとってはとても有り難いお仕事です。

ただし、一般事務などのデスクワークは、高齢女性の就職件数自体は多いものの非常に競争率が激しい職業です。実際、女性高齢者の就職率は10%を下回っていますので、採用されるには数多くの会社に申し込みを続ける根気と運が必要でしょう。

軽作業

作業着の高齢従業員

軽作業
都内平均時給1,100円
就職件数ランキング60~64歳(男):5位、65歳以上(男):5位
65歳以上(女):4位
(参考:在庫管理・商品管理の平均時給|タウンワーク倉庫・検品の平均時給|タウンワーク)

求職件数が最も多い仕事ですね!スキルは特に必要なく、体力に自信がなくても働けるためシニア世代におススメなお仕事です。

簡単な作業がほとんどなので、仕事にも慣れやすいですよ。ただし、求職件数は多いものの全世代に人気のお仕事なので就職率は低いです。

また、単純作業が苦手な人にとってはしんどい仕事でしょう。検品、在庫確認、仕分け、ピッキングなど1人で黙々と取り組むことが苦にならない人に向いています。

介護職

介護職のイラスト

介護職
都内平均時給1,100~1,200円
平均年齢福祉施設介護員 男:39歳、女:43.5歳
ホームヘルパー 男:40.1歳、女:48.6歳
ケアマネジャー 男:43.9歳、女:50.6歳
就職件数ランキング60~64歳(女):3位、65歳以上(女):3位
(参考:東京都の平均時給|タウンワーク 医療/介護/福祉系、賃金構造基本統計調査職種別第2表|政府統計)

女性におススメのお仕事です。女性の就職件数ランキング3位にランクインしており、60歳~64歳の女性に限って言えば就職率45.9%と平均値を大きく上回っています。なんと言っても介護職員の需要の高さがポイントですね。

要介護認定者の増加に伴い、介護職員は大幅に増加しています(参考:介護職員数の推移|厚生労働省)。今後も高齢化に伴って要介護者は増えると考えられるため、職員の採用はますます積極的になるでしょう。

年齢面に関しても、全体としての介護職員の年齢構成は30代~50代が中心ですが、訪問介護に限定すれば60代以上が全体の約3割を占めているので、シニア世代でも馴染みやすい職場環境と言えるでしょう(参考:介護労働の現状|厚生労働省)

介護職は力仕事もこなす必要があるため体力面に自信がないと務まりませんが、最後に精一杯働いて老後に入りたい!という方にはオススメです。

【補足】自分で稼ぐ力がつけばもっと安心!クラウドソーシングという考え方。副業から始めて起業もできるかも?

PCと親子

シニア世代でも働きやすい仕事があるといえど、雇用という働き方では限界があります

そこで視野に入れておいてほしいのが「クラウドソーシングサービスを使った働き方」です。
クラウドソーシングとは、インターネット上で不特定多数の人々(クラウド)と間で業務を受発注できるシステムのことです。

簡単に言えば、「自分の能力をインターネットを介して提供することで収入が得られるシステム」です。ネットを介した在宅ワークと考えてもらって構いません。

たとえば、イラストを書くのが得意なのであれば「ココナラ」「ランサーズ」「クラウドワークス」と言ったクラウドソーシングサービスで、そのイラストを販売することが出来ます。他にもWEBメディアのライター需要なんかも多いですね。

また、少し高度にはなりますが、最近ではネットを介してスポットコンサルを行って収入を得るという働き方もあります。コンサルと言うと少し敷居が高いと思われるかもしれませんが、あなたのこれまでの経験が思いもよらない形で必要とされることもあります。

ビザスク」というサイトで色々なコンサル依頼が閲覧できるので、興味のある方は一度サイトを覗いてみて下さいね。

シニアがクラウドソーシングを使って仕事をしているイメージ

そしてなにより、「クラウドソーシングサービスを使った働き方」には、いつでも好きな時に好きなだけ、何歳まででも働けるというメリットがあります。シニア世代にはとても嬉しいポイントですよね!

ただし、利点はあれどクラウドソーシングという働き方は実力がもの言う世界です。お金を稼げるようになるまでにはある程度の時間がかかることが多いので、もしやるのであれば現役のうちから副業として始めておくことをお勧めします。

仮に、もし上手くいけば副業が本業になるかもしれませんよ!(起業するってことですね!)

クラウドソーシングに過度な期待をするのは良くありませんが、働き方が時代とともに多様になってきているのは良いことですね。

【注意】仕事を得る目的で老後に資格を取るのはNG!

ペンとノートとメガネ

ここまで、シニア世代におススメの仕事を紹介してきました。いずれも比較的採用されやすいものを取り上げましたが、60代になってからの職探しはやはり少し不安ですよね。

そこで、採用の確率を上げるために、「今のうちに資格をとっておこう!」と考えた人もいるのでは?しかし、老後の仕事を得るために資格を取るという発想は捨ててしまった方が良いでしょう。

なぜなら、資格は持っているが実務経験がない高齢者を雇おうと考える企業はほとんど無いからです。

特に、弁護士や税理士といった「士業」は何よりも実務経験がものを言う世界であり、「資格」だけで採用されるのは若い人だけです。若ければ教育する時間がありますからね。

しかし、実務経験のない高齢者に時間と費用をかけて教育してくれる企業はほとんどありません。定年後の転職用に資格を取るのは“お金と時間を費やすだけ無駄”という認識でいたほうが良いでしょう。

もちろん、仕事を得るのが目的ではなくて、単純に資格を取るのが目的なのであれば全く問題はありませんよ。趣味の資格とかはどんどん受ければ良いと思います。

まとめ

日本は少子高齢化が進んでいるので、今後さらに労働力不足が顕著になることは明らかです。

しかし、将来的に単純作業はAIに代替される可能性が高く、今まであった職業が無くなってしまう可能性があります。また、労働力不足を背景として着々と海外からの移民の受け入れも進んでいます。

今回の記事は、比較的老後でも働きやすい仕事をメインで紹介してきましたが、これらの仕事はAIや単価の安い移民に取って代わられてしまう可能性がゼロではありません。

出来ることなら、定年後でも使えるスキルを現役時代に習得しておきたいですね。

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